SPS 春合宿セミナー2012

「Science of Philosophy of Science(旧:新しい科学哲学をつくる会)」(リーダーは名古屋大の戸田山和久教授:科学哲学)では、異なる分野の科学者と科学哲学者の交流を通じて、科学にも将来社会にも役立つ学問を開拓して行きたいと、いろいろな試行の自己実験をやっています。その一つが異分野の研究者の交流と見学の機会をつくることです。下記は今春の計画です。

注:どなたでも、ご参加いただけますが、事務局にメールで連絡をお願いします。


スケジュール


2012年3月9日
【研究現場の見学と惑星科学研究などに関する交流セミナー 】
場所:宇宙科学研究所(JAXA)相模原キャンパス(神奈川県相模原市)

13:30 ISAS 管理等1F ロビーにて集合
13:30 一般見学(JAXA 紹介ビデオなども含む)
15:30 キュレーション施設(など)見学(2,3グループに分けてご案内します)
16:30 時間マージン(休憩など)
17:00 管理棟2F 大会議室にてセミナー
話題提供 (宇宙研側):藤村 彰夫(キュレーション関連)、 加藤 學(かぐや関連資料1-1資料1-2資料1-3資料1-4資料2資料3資料4
(SPS 側):戸田山 和久(SPS の紹介
19:00 管理棟5F 会議室にて(特定の話題提供者は設定していません)

補足)世話人(12:01 横浜線淵野辺駅着)と同行する方は、淵野辺駅集合

  • JAXA 相模原キャンパスまで徒歩約 15 分。食堂で昼食可能(※12 時〜13 時は混み合うとのことです)
  • 研究管理棟 5F(1537)会議室を借切ってあるので荷物などを置けます。(施錠なし)
  • 門衛所で宇宙研の田中(智)に用件ありと告げて「見学者プレート」と「赤色のバッジ」を受け取って下さい

    宿泊:東横 INN 横浜線淵野辺駅南口(ツインルーム)


    2012年3月10日
    【科学哲学セッション】
    場所:東京工業大学(東京都目黒区)、大岡山キャンパス本館2F H284AB室
    東工大:http://www.titech.ac.jp/about/campus/index.html
    本 館:http://www.titech.ac.jp/about/campus/o_map.html?id=03
    H284AB:http://www.th.phys.titech.ac.jp/~shikano/epr/guide.pdf

    概要:2012年、ハイゼンベルクの不確定性原理の破れに関する実験が科学記事の1面を飾った。量子力学がなければ、宇宙も誕生しなければ、元素も合成しない、星すら形成できない。地球惑星科学とも量子力学は無縁ではない。また、量子力学の世界観自体、興味深い一面を持つ。その歴史を辿れば、確率的にしか物事が予言できないということから「実在」とは何か?という論争が物理学者のみならず、哲学者をも巻き込み、議論されてきた経緯がある。そこで、本企画では理論的側面および実験的側面のそれぞれの立場から講演し、物理学者と哲学者の連携の仕方について論点を整理する。〈文責:鹿野 豊(分子科学研究所)〉


    10:00 「量子力学における科学と哲学(理論)解説と論点整理」
    話題提供: 北島 雄一郎(日本大学)、 渡辺 優(東京大学)
    12:00 ―昼食― 各自持参
    13:30 「量子力学における科学と哲学(実験)解説と論点整理」
    話題提供: 堀切 智之(国立情報学研究所)、 鷲尾 和久(東京工業大学)
    15:30 パネルディスカッション「科学と科学哲学の今後のあり方は?」(だいたい2H)
    Chair: 鹿野 豊
    主な論者: 戸田山 和久、熊澤 峰夫丸山 茂徳

    概要:現在、「Science of Philosophy of Science (SPS)(旧:新しい科学哲学をつくる会)」では、様々な形で相互連携を図ろうとしてきた。しかし、まだアイディアや方法の他、人材も足りない。そこで、各分野の科学者と哲学者との協力によって相乗効果が生まれる環境をいかに作れるだろうか?それを考えるパネルディスカッションを提案する。このような問題に関わってきた 3 人の論者に従来の問題点と課題を提示してもらう。その後、この議論は、夜間の異分野交流セミナーに引き継ぎ、少人数のグループに分かれるなどして、Chair が出す「お題」に関してブレーンストーミングを行い、その結果を全体にフィードバックする。このような作業を通じて、異分野初対面の人に議論場を提供し、同時に「SPS」の方向性を探る。〈文責:鹿野〉



    17:30 小噺「量子情報科学の創世記」
    話題提供: 古田 彩(科学ジャーナリスト)

    概要:午前と午後の前半までにかけて、量子力学における世界観を参加者全員で共有してきた。そして、翌日の科学史のセクションへのつなぎとして、量子力学から出てきた新しいアイディアである「量子情報科学」の歴史について科学ジャーナリストの古田 彩さんに講演をしていただく。その中で、科学ジャーナリズムで行われている手法と従来 の科学史研究との違いや共通点を議論していく。〈文責:鹿野〉


    夜: 異分野交流セミナー(科学の哲学の科学の議論場の続き+α)+親睦会(H284AB)
    宿泊:アワーズイン阪急(歯ブラシ、髭剃り(有料)はフロントにある)

    2012年3月11日
    【科学史セッション】
    場所:東京工業大学(東京都目黒区)、大岡山キャンパス本館2F H284AB室
    東工大:http://www.titech.ac.jp/about/campus/index.html
    本 館:http://www.titech.ac.jp/about/campus/o_map.html?id=03
    H284AB:http://www.th.phys.titech.ac.jp/~shikano/epr/guide.pdf
    (昼食弁当持ち込みをお勧めします。日曜日で、建物への出入りが不便です。)

    概要:地球科学の現代史は広範な領域を持っており、さまざまな手法が要請される。特に実際に研究に携わった科学者からの聞き取り調査や、関連資料の適切な収集・保存・公開は喫緊の課題である。その成否が将来の科学史記述の質を決めるといっても過言でない。本ワークショップでは、こうした分野の先行研究や先駆的な実践例を交流して共有化を図るとともに、焦点化すべき研究課題について議論する。 予定される話題提供者と話題の内容(仮題)は次の通り。〈文責:山田〉



    10:00 「現代地球科学史研究と資料保存」について
    10:00 平田光司(科学と社会の相互作用を記録するオーラルヒストリー
    講演:1時間半 質疑:20 分
    11:50 林 衛 science cafe (話題提供:地震研某報道事件をめぐって?科学と社会のあり方を問う)
    (昼食をとりながら意見交換)― 各自持参
    13:00 青木滋之(趣旨説明+名大地球科学科のオーラルヒストリー
    13:35 八耳俊文(戦後科学技術史研究プロジェクトの経験:南極観測と地団研
    14:10 矢島道子(古生物学界の現代史と標本資料
    14:45 福川知子(久米美術館の久米邦武関連資料について
    (休憩)
    15:30 栃内文彦(日本地質学史に関するインタビューおよびアーカイブ資料調査の経験から
    16:05 宮下 敦(映像を含むオーラルヒストリーの手法)
    16:40 金 凡性(東アジアの科学史記述と記憶・記録の問題)
    (討論)

    夜: 異分野交流セミナー(20名程で近くのレストランを予約)+親睦会
    宿泊:更新館 (相部屋 チェックイン10時迄 朝食7時)


    2012年3月12日
    【科学研究現場見学と科学史資料見学ツアー】
    東大地震研究所見学

    担当者:宮本(東大地震研)・鈴木(名大・科学哲学)

    ■日時:2012 年 3 月 12 日(月) 9:00 9:00 に更新館集合、宮本による案内で地震研へ
    ■場所:東京大学弥生キャンパス 地震研究所、主に 2 号館
    ■目的:地震研の研究室をいくつか訪問し、研究者に研究目的、研究手法を語ってもらい、質問、議論の機会をもつ。また、科学の多様性、道具の果たす役割、科学と社会の関係について参加者が実感し考察することを促す機会としたい。 (科研費「地球惑星科学の哲学」の活動としては、地震火山研究の最先端の研究現場を知り、現実に即した研究をできるようにしたい。
    ■研究室訪問予定(時刻、順番は変わる可能性アリ)
    1.高エネルギー素粒子地球物理学研究センター(宮本成悟、他)(9:30〜10:15)
    ・宇宙線ミューオンを用いた火山内部構造観測
    2.地球計測部門(新谷昌人)(10:30〜11:15)
    ・高精度観測機器開発(重力計、傾斜計など)による地球観測
    3.他もう一方(交渉中)(11:30〜12:15)