spcaféのご紹介

「sp」とは、science(体系化された知識)とphilosophy(哲学)の頭文字です。 spcaféでは、「哲学が諸学問を統治する」というリベラル・アーツ精神を裏返しに解釈し、 「哲学を接着剤に諸学問同士をつなぐこと」を目指しています。 平たく言うと、「分野を超えて学問を楽しもう」という集まりです。

「講演会」ではなく「人と人の議論と交流の場」でありたいと考えていますが、 言うは易しで、いつも四苦八苦しながら企画メンバーみんなの手作りで頑張っています。 (だいたい)月1回、名古屋大学理学部E館1階の Craig’s Café を会場に開催していますので、 どなたでも遠慮なく見に来て下さい。企画メンバーも常時募集中です。

お問い合わせは、spcafe[[at]]sxpxs.org ([[at]]はアットマーク@のこと) までメールでお寄せください。

追記: 以前は(だいたい)月1回のハイペースで企画を行ってきましたが 2013年度より企画回数が落ちてしまい、楽しみにしてくださっている方々には誠に申し訳ないと思っております。 それでも、年6回(隔月)か年4回(季節企画)で開催していきますので、よろしくお願いします。(2014年3月24日)

これからのspcafé

#39 真正面からの学問論、大学論 〜昨今の”異分野融合ブーム”を切り口に〜

日時
2015-12-10 17:00—18:30
話題提供
宮野 公樹さん
(京都大学学際融合教育研究推進センター 准教授)

今、大学と文科省との関係が何かおかしい。ついでにいうなら、経済界との関係もおかしい。現大学人なら多くが同意するであろうこの違和感について、“異分野融合”を切り口にみなさんと考えていきます。きっとそれは本来的な学問のやり方、大学のあり方への 問い直しにつながるはずです。が、それは同時に近代性に流されている自己とも向き合うことにもなります。濃い時間を。

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開催記録

#38 Antarctica - Not just snow and ice(極氷下の生き物たち)

日時
2014-1-14 17:00—18:30
話題提供
Victor Benno Meyer-Rochowさん
(ドイツ・ヤコブ大学教授/フィンランド・オウル大学教授)

マイヤーロホ博士は、世界で活躍する生理学者・民俗学者で、昆虫の視覚や少数民族の研究でも多数の業績をあげています。2005年には「ペンギンの排泄時にかかる圧力の測定」によりイグノーベル賞を受賞しました。今回は、spcafe初の英語によるトークとなりますが、マイヤーロホさんは日本語も少し話せる国際人なので、日本語を交えたゆっくりと分かりやすい英語でお話しいただきます。どうぞご遠慮なくご参加ください。トークの内容は、6回にわたり行なった南極調査の体験と、そこで見つけた奇妙な生物の生きざまについて(もちろん、ペンギンについても!)お話しいただきます。

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#37 幾何学であそぶ

日時
2013-12-25 17:00—18:30
話題提供
足立真訓さん
(名古屋大学大学院多元数理科学研究科)

わからないことをわかりたいと思い、考えることに喜びを感じてしまうのは人間の本性だと思いますが、数学においてもそれは同じで、数や図形についてわかっていないことをわかろうとしています。その中で幾何学は、かたち、つまり空間の性質を研究する分野です。市民のみなさんにとってはジグソウパズルや一筆書き、折り紙、綾取りなど、遊ぶネタにもこと欠かない領域だと思います。現代の幾何学では目には見えないような高次元、抽象的な空間を扱いますが、それが情報処理など、社会に役立ってしまうという不思議な、いや、当り前の性質もあります。今回、プロの数学者もアマチュアも楽しめる、ちょっとしたクイズをご用意しました。これを話題に数学が面白いということの意味と内容を、一緒に語りあえたらと思っています。

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#36 兄・木村資生 ―ー分子進化の中立説を提唱した木村資生はどんな人だったか

日時
2013-11-29 17:00—18:30
話題提供
木村克美さん
(分子科学研究所 名誉教授)

木村資生博士は、長年にわたって、「理論遺伝学」を目指していた。生 物の進化に関連して、種の中の突然変異遺伝子の動きを確率論や偏微 分行程式を駆使して研究し、アミノ酸配列の実験結果(その後のDNAの 実験結果)を良く説明できることを示した。1968年、英国の国際学術雑誌 (Nature)にダーウィン進化論に対抗した「分子進化の中立説」を発表して世界を驚かせた。それから二十年以上にわたって国際的な大論争を 巻き起したが、1992年に英国王立協会から「ダーウィンメダル」を日本人 で初めて受賞(現在もアシ?アで唯一人)。この賞は生物学や遺伝学に百 年以上の歴史がある。生物の進化を一言で表現すると、ダーウィン進化 論は「適者生存」(環境に適したものが子孫を残していく)、それに対しキ ムラ進化論は「幸運者生存」(有利でも不利でもない突然変異遺伝子が 定着して進化を起こす)とのこと。木村資生博士は、ダーウィンメダルの 他、数々の国際賞を受賞した。英オックスフォード大学からウェルドン賞 (1965)、フランス国家功績勲章(1986)、米国科学アカでミーから科学の進 歩に対する「カーティー賞」(1987)、国内では学士院賞(1968)や文化勲章 (1976)など。 今回のspcafeトークの内容は、(1) 小中学生時代にどうして「植物採集 や数学」が好きになったか、(2) 第八高等学校時代にどうして「遺伝学」に 興味をもったか、(3) 京都帝国大学時代にどうして「理論遺伝学」を目指すことを考えたか、(4) アメリカ留学時代や遺伝学研究所時代の話題など、 (5)どんな趣味をもっていたか、など簡単にふれたい。

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#35 考古学の現場

日時
2013-09-04 17:00—18:30
話題提供
市川彰さん
(国立民族学博物館外来研究員/日本学術振興会特別研究員PD)

「インディー・ジョーンズみたいですね!」 自分の専門をきかれ「考古学です」と答えると、このような返事が大抵かえってくる。さらに「中米の」と付け加えると、さらにその確率はあがる。決して悪い気はしないのですが、「考古学の現場」について具体的に知る人はそう多くはないと思います。実に地味で地道な作業の繰り返し。人間の歴史もまた、日々の営みや思考の積み重ねです。考古学は、まさにその人々の日々の営みや思考が凝縮された「モノ」を色々な視点や方法で観察・記録し、歴史を復元する学問と言えましょう。本発表では、専門の話も交えながら、考古学の現場のリアルな側面を皆様と共有させていただきたいと思います。

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#34 植物ミトコンドリアDNAのダイナミクス

日時
2013-07-29 17:00—18:30
話題提供
平井篤志さん
(東京大学名誉教授)

ミトコンドリアは、細胞におけるエネルギー生産を担う小器官である。植物細胞では核、葉緑体、ミトコンドリアにDNAがあり、 それぞれ遺伝情報が納められている。このうち、葉緑体とミトコンドリアのゲノムは母性遺伝を行うため、交雑で遺伝情報を改良することができない。しかし、これらはエネルギーに関する重要な機能をもっているので、改良ができればその効果は非常に大きいと思われる。研究していくと、人工的に二種の葉緑体DNAを一細胞に閉じこめた場合には変異を起こさないが、ミトコンドリアDNAの場合には二種間で組換えを起こすことが発見された。そして近年、ミトコンドリアゲノムと核・葉緑体ゲノムが流動的にDNA断片をやりとりしている動態(ダイナミズム)が明らかになった。植物ミトコンドリアがもつ、そのダイナミズムの意義を含め、植物ミトコンドリアには未解明の部分が多く、今後の研究の展開が期待される。

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#33 一人学際って?

日時
2013-06-28 17:00—18:30
話題提供
島津康男さん
(名古屋大学名誉教授)

別分野と考えられてきた地球物理学・地球化学・地質学をまとめて創設された地球科学の看板にひかれて、1953年名古屋大学に赴任した。 しかし、それは名前だけの実態だった。そこで、私は考えた。地球は縫い目のない織物なので、舞台とそこに演ぜられるドラマの面から見よう、手段はどうでも良い。 1966年に Seamless Earth Science (SMLES) 憲章を出した。原動力は「自然への知的好奇心」と「社会への貢献」だ。

SMLESの中身は、「一人学際」、つまり巨大科学に対置される「等身大科学」の教育だ。当時盛んだった矢作川上流の開発現場に住み込み、 地質・水質・生物の調査を一人でやり、自然と人との通訳・住民と事業者との通訳を勤める「アセス助っ人」の養成だった。 もう一つの SMLES (Simulation Earth Science) のグループがあり、これも一人学際で、警戒宣言発令時の帰宅行動から地球生成初期プロセス、 一人学際のノウハウ共有の情報管理システムまであった。

1990年、SMLES 教育は私の定年退官で終わったが、「アセス助っ人」の活動は続いている、 今必要なのは原発事故・南海トラフ地震・食品リスクへの対応の社会的合意に働ける「防災助っ人」の養成だ。東海地域はその宝庫と考える。

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#32 科学技術の報道はうさんくさい?

日時
2013-04-18 17:00—18:30
話題提供
藤吉隆雄さん
(名古屋大学産学官連携推進本部 特任助教/あいちサイエンスフェスティバル コーディネーター)

朝、新聞を読みます。科学技術の記事を見つけます。気になる見出しで読んでみます。ときどき、なんとなく残念な気分になります。なぜでしょう?

その違和感を自分で解決するには、メディア・リテラシーが必要になります。記事の作られ方を知れば、なぜそういう記事になるかがわかります。

では、その記事の作り方にどんなフィードバックをすると、残念な気分が減るでしょうか?

「そんな記事はダメだ!」の批判から、「こうするべき!」の提言へ。その建設的フィードバックのよりどころにジャーナリズム論が使えそうです。

表裏一体のジャーナリズム論とメディア・リテラシーから、科学技術報道を考えます。

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#31 分類構築の心理学と系統推定の歴史学

日時
2013-03-06 17:00—18:30
話題提供
三中信宏さん
(独立行政法人農業環境技術研究所/東京大学・院・農学生命科学研究科)

存在物(オブジェクト)の多様性を研究対象とする体系学 (systematics)は、生物はもとより、言語・写本・様式・文化などの構築物まで含む広範なオブジェクトに適用できる普遍性をもつ。体系化を実践するための思考法としては「分類」と「系統」の二つがありえる。前者の「分類」的思考はオブジェクト間の類似性にもとづくカテゴリー化による体系化を目指す。たとえば、生物分類学の中心問題のひとつである「種問題(the species problem)」は、いまや生物学の垣根を軽々と越えて、認知心理学から科学哲学まで含む広範な議論の場を形成している。一方、後者の「系統」的思考は、時空的に変遷するオブジェクトに関する歴史の推定を目標とする。データに基づく最も妥当な系統関係を推論する作業は「歴史とははたして科学でありえるのか」という大きな問題を浮上させる。オブジェクトの多様性を分類と系統の両面から理解しようとするこれまでの試みの中で、さまざまな分類チャートや系統ダイアグラムが用いられてきた。それらを図像学的に見直すことにより、一般体系学におけるグラフィック・ツール(チェイン、ツリー、ネットワーク)のもつ意義に光が当たる。これらのグラフィック・ツールは、進化するオブジェクトの系統関係を推定し、さらにその分類体系を構築するための指針を提示することができるだろう。オブジェクト多様性とその変遷を研究対象とする諸科学は、歴史科学(William Whewell のいう「古因科学」あるいは Avezier Tucker のいう「歴史叙述科学」)としての共通点をもつだけでなく、データ可視化と情報グラフィクスの点でも相通じる要素を共有している。

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#30 合理的な神秘主義

日時
2013-02-22 17:00—18:30
話題提供
安冨歩さん
(東京大学・東洋文化研究所)

世界は複雑で変転極まりなく、不確実である。しかしなぜか我々は、その複雑で変転極まりなき世界に、不確実さをむしろ頼りとしながら世を渡り、生きて行くことができる。 これは、驚くべきことではないだろうか。本報告では、この驚異的な事実を「神秘」として受け入れ、 その上で、その神秘的な力の発揮を阻害しているものについて、合理的に思考する、という方法論を提示する。 これを「合理的な神秘主義」と呼ぶ。

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#29 デジタルアースの構築と利用 ―GEO-INFORMATICSからのアプローチ

日時
2013-01-21 17:00—18:30
話題提供
福井弘道さん
(中部大学・中部高等学術研究所)

情報化社会の本質は、サイバースペースにおける意思決定が、リアルワールドに先導的な役割を果たすことにあるのではないでしょうか。そこで、実物世界のメタファーとして、いかに情報が欠落することなくサイバースペースを構築するか、またそれをどのように利用するかは重要です。それには「デスクトップメタファー(机上隠喩)」ではなく、膨大な地理空間情報を取り扱い、多解像度で、3次元や時系列の地球を実時間で表現することが可能なツール「アースメタファ」が求められます。これを、「デジタルアース」とよんでいます。

デジタルアースで、地球上で生起する自然・社会・人文現象を認知し、地球、国土、地域、都市、地区というマルチスケールで表現するとともに、それらをもとに地表の変動現象を分析・解明し、現象のモデリングやシミュレーションを行い、合意形成、計画立案や政策形成に展開する方法論の探求を行う研究領域GeoInformaticsの世界での取り組みをいくつか紹介します。

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#28 寒冷化から考える温暖化による生物絶滅

日時
2012-12-19 17:00—18:30
話題提供
須藤 斎さん
(名古屋大学大学院環境学研究科)

皆さんは「絶滅」というと、隕石の落下といった急激な環境変化が原因で引き起こされるものとイメージすることが多いかと思います。現在起きている「地球温暖化」も地球の長い歴史から見ると「急激な」環境変動であると言えます。地球上に住む生物に何が起きるのかという未来予測をするためには、過去の地球生物史を知ることがとても重要。そこで食物連鎖のスタート地点、重要な一次生産者でもある海洋の三大植物プランクトン(珪藻・円石藻・渦鞭毛藻)の化石記録を元に、どのような環境変動によってそれらが進化し、他の生物に影響を与えていった可能性があるのかを紹介します。これまでの研究で珪藻類は地球「寒冷化」によって進化と放散をしてきたことが明らかになってきました。これらの進化は他の海洋生物進化にも影響を与えているかもしれません。今回の発表では、逆に「温暖化」が進んだ場合、それらの海洋生物がどのようなことになるのかを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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#27 物理学と情報科学の融和

日時
2012-11-29 17:00—18:30
話題提供
鹿野豊さん
(分子科学研究所特任准教授)

物理学はその名の通り、「もの」のことわりを明らかにする学問です。その恩恵は現在の科学技術の基礎に幅広く使われています。また、情報科学は「こと」に関する学問です。現在のパソコンも、インプットがあり、何かしらの処理がなされ、アウトプットが出てくるという原理で動いています。その中でどのようなフローを描くのかを研究しているのが情報科学です。しかし、その実態は「もの」がなければ動きません。パソコン は物理学の原理を用いて動いています。「もの」を調べようとした時に、我々は自然からの情報を引き出さねばなりません。なので、「もの」の学問と「こと」の学問は融和せねばなりませんでした。どこまで融和できたのかをお話しします。

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#26 臨床環境学への挑戦

日時
2012-10-30 17:00—18:30
話題提供
高野 雅夫さん
(名古屋大学大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 准教授)

公害対策からスタートした環境学は、社会の持続可能性が課題となるにつれて、対症療法的な対策では社会に貢献できなくなってきた。 名古屋大学環境学研究科と生命農学研究科ではGCOE「地球学から基礎・臨床環境学への挑戦」と題して、新しい環境学の構築に取り組んでいる。 臨床環境学とは、地域の持続可能性にかかわる課題を「診断」し、これを「治療」することをめざすものであるが、そのあり方は、単純な西洋医学のアナロジーではとらえられない。 それは科学のあり方にも大きな反省を迫るもので、トランスディシブリナリ論や市民科学論をとりこみながら、新しい科学のあり方を標榜するものともなっている。 そこで今回のカフェでは、「仮説ころがしとしての臨床環境学」という考え方を提示し、地域における実施・研究・教育例を紹介しながら、その内容を深めたい。

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#25 天体ショーと人類

日時
2012-07-19 17:00—18:30
話題提供
渡邊誠一郎さん
(名古屋大学大学院環境学研究科教授)

今年は多くの天体ショーがありましたね。金環日食、金星の太陽面通過が注目を集めましたし、8月14日未明には月が金星を隠す金星食があります。人類は、昔からこうした天体ショーを目撃し、その非日常性に強い畏敬の念を抱く一方で、その背後にある天体の運行の規則性や周期性を発見し、暦を作ってきました。現代人は、そこに科学の萌芽を見るでしょう。今回は、日食を話題の中心とし、古代人も見つけていた規則性を現代科学で説明するとともに、さらに45億年という太陽系のタイムスケールにまで話を広げ、天体現象と気候変動や生命進化の関わりについても概観したいと思います。

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#24 みんなの技術者倫理

日時
2012-06-14 17:00—18:30
話題提供
比屋根均さん
(日本技術士会 中部本部 ETの会所属 ラーテン技術士事務所)

「技術者倫理」は、社会が技術の営みを安心かつ有効に活用できるようにするために、技術者を含む技術の行為者が多面的に判断できるようにすることを目的にしています。裏返すと、技術の実施者たちが、自らの内なる価値観にしたがい、いけいけどんどんでやってきたことが、技術的な不祥事や事件の背景的原因だということです。ですから「技術者倫理」は、行為者たちが自ら身に着けてしまっている独自の価値観、先入観、誤解やバイアスに気づくことに本質があります。その中には、科学教育に原因しているものもあります。そういう面では「みんなの技術者倫理」でもあるはずです。今回はそのような成果についてご紹介し、議論できればと思います。

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#23 イスラーム 生活の中の神様

日時
2012-05-22 17:00—18:30
話題提供
安江塁さん
(通訳/翻訳サービス イルティバート)

世界最大の宗教となったイスラム教では、自殺や臓器移植はどう捉えられているのか。 中世のイスラーム法と日進月歩の世界はどう折り合いが付けられているのだろう。 戦争を離れた日常生活と神様の関わりについてお話いただきます

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#22 地域のストーリーをデザインする ―恵那市岩村町のドラマ「みつけもの」製作

日時
2012-04-23 17:00—18:30
話題提供
石丸みどりさん
(愛知淑徳大学人間情報学部 常勤講師/コミュニケーション・デザイナー)

地域の活性化を進めるために、地域に住む人々が自分の町の魅力を知り 自分の町を好きになることから始めなくては、外への発信力も生まれてきません。 恵那市岩村町の町づくりとして、新たな視点からその町の魅力をリデザインし 人々が共感出来るコンテンツとして地域の歴史を基にした オリジナルストーリーを創り、映像化しました。 このドラマを見た人々が「主人公が抱えている問題を自分の問題として考え 女城主から受け取ったメッセージにより進路を見つけ出していく結末に共感する」 ということに、映像化の狙いはあります。 地域の問題を自分の問題のように感じてもらうこと(受け手に共感されること)で 町への興味と愛着が自然に湧いてくるのです。 映像による地域振興の強みはそこにあると考えています。 【石丸みどり】

謝辞など

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#21 怖い?楽しい?昆虫と微生物の共生

日時
2012-03-22 17:00—18:30
話題提供
梶村恒さん
(名古屋大学・生命農学研究科)

東山キャンパスは豊かな緑に包まれています。とくに、東部には、自然に近い林が多く残っています。 市街地にありながら、生物多様性を観察できる大学は、実はかなり貴重なのです。

ところが、その林の中にある大木が続々と枯れていることを、皆さんはご存知でしょうか? 犯人は昆虫、正確には、それが運ぶ微生物なのです。また、液体の入ったボトルが何本も根元に差し込まれている、 そんな怪しげな光景を目の当たりにされた方もいらっしゃるかもしれません。これは木への“予防注射”なのです。 昆虫と微生物の悪役コンビによる林の異変について、その現状をお伝えしたいと思います。

一方で、共生という生物学的現象からみれば、両者は名コンビとして脚光を浴びることになります。 時間の許す限り、様々な共生系の魅力的な生態や進化についても紹介したいと思います。

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#20 21世紀の世界と日本

日時
2012-02-24 17:00—18:30
話題提供
春名幹男さん
(名古屋大学・国際言語文化研究科)

世界は、胸突き八丁にさしかかりました。日本は己を知り、その役割を認識しなければなりません。 米国一極体制の動揺がもたらす影響は大きい。当面のホットスポットは中国とイランの周辺です。 北朝鮮は核兵器を保有する破たん国家となりつつあり、極端な場合米中の軍事的接触がありえます。 また新たに、インド洋で中印の覇権争いが激化しそうです。平和国家日本の正念場ですが、 同時にメディアの役割も考えていきたいと思います。

今回の spcafé は実験的に USTREAM でのライブ配信も行う予定です。ご来場いただけない方は、よろしければオンラインでご参加ください。

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#19 無意識的なものの社会科学

日時
2012-01-31 17:00—18:30
話題提供
布施哲さん
(名古屋大学・国際言語文化研究科)

人間の手には負えない「無意識」という領野を人間自身の心の内部に見出すフロイトの精神分析は、 一時期、医学の世界はむろん、哲学や社会科学の領域にまで大きな影響力を持ちました。 しかしそれは現在、医療現場では薬物療法の発達によって、そして他の諸領域においてはその難解さによって徐々に敬遠されてゆき、 後景に退いてゆきました。精神分析は結局、不可知なものの理論化と称する似非科学でしかなかったのでしょうか。 もちろんそんなことはないでしょう。 今回は、特に政治理論と精神分析との関係の歴史を振り返りながら、 精神分析的アプローチの今日的な意味や意義についてお話できればと思っています。

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#18 穴あきコンクリートブロックの考現学

日時
2011-12-13 17:00—18:30
話題提供
伊藤雅春さん
(愛知学泉大学/大久手計画工房)

最近はあまり見かけなくなったかも知れませんが、コンクリートブロックの塀にはつきものの穴あきブロック、通常透かしブロックと呼ばれるブロックをテーマにお話をしたいと思います。 こうしたブロックは、通風のために使われていると考えられますが、殺風景なブロック塀の表情にアクセントを与えている効果も見逃せません。

一体何種類ぐらいの穴あきブロックがあるのでしょうか?穴あきブロックのコレクションを通してブロック製造の謎や希少ブロック分布の法則性、ブロック分類学の楽しみについてお伝えしたいと思います。 些細なモノの中に都市の面白さを発見するワザについて考えてみたいと思います。

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#17 カオス—法則が生む乱れと多様さ

日時
2011-10-20 17:00—18:30
話題提供
小西哲郎さん
(名古屋大学・理学研究科)

我々の住んでいる世界には物理法則があります。 大きなものも小さなものも、すべて運動方程式に従って運動し、物体の位置や状態は運動方程式の解として表されます。

はっきり決まった法則に従って変化する世界。 この様子は大変整然としているように思われます。 しかし、例えば天候のように先行きの解らないものや、川の流れのように乱れたものも自然界にはたくさん見受けられます。

実は、一見整然とした物理法則そのものの中に、予測を困難にし運動を複雑にする仕組みが備わっていることがわかってきました。 今回は、この、物理法則から生まれる乱れ「カオス」について3重振り子を使ったデモンストレーションも交えつつお話ししてみたいと思います。

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#16 自然は対称性を好む?—part 2—

日時
2011-10-12 17:00—18:30
話題提供
石井克哉さん
(名古屋大学・情報基盤センター)
会場
Cafe Fronte
(名古屋大学環境総合館北側向い)
会場がいつもと違いますのでご注意ください!

流体を容器に注ぐとき,きれいに入りやすい容器はどんな形のものなのだろうか? 容器内で流体を回転させると,中の流体はまざるのだろうか? 流れに棹さした円柱の周りの流れについてロゲルギストの一人今井功先生が「新物理の散歩道」で扱ったエッセーの表題を借りて流体力学の現象を数値シミュレーション結果を見せながら解説する. ついでに、名古屋大学工学部化学工学科出身の水谷悟博士と一緒に開発した「スゴ泡グラス」の流れについても紹介する.

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#15 人工生命アプローチで謎解き楽しむ鳥の歌

日時
2011-08-31 17:00—18:30
話題提供
鈴木麗璽さん
(名古屋大学・情報科学研究科)

夜明けや夕暮れの森では多くの鳥が様々な歌を気持ちよさそうにさえずっています. しかし, 彼らは好き放題歌ってはおらず, 例えば, 効率的な情報伝達のために同時に歌うのを避けるなど, 様々な形で影響し合っていることが知られています. 今回は, この歌重複回避行動を生物の持つ柔らかさの一つとしてとらえ, その進化に対して, 計算機で創って理解する人工生命の手法でアプローチする試みをご紹介します. 加えて, カリフォルニアの野鳥の歌を題材にした iPhone アプリ(iSoundScape_BIRD) もご紹介します.

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#14 カタチが教えてくれること

日時
2011-07-29 17:00—18:30
話題提供
桂木洋光さん
(名古屋大学・環境学研究科)

自然界は不思議なカタチで満たされています. カタチから自然の理を読み解くためには,カタチを定量的に特徴付けて評価する必要があります. データ解析や室内実験の知見からカタチの成因に迫り,自然現象の本質をあぶり出すことは可能でしょうか. 私のこれまで関わった僅かな事例を足がかりに,カタチについて議論ができればと思っています.

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#13 地域(まち)と大学(キャンパス)
継承したい東山キャンパスの記憶とビジョン

日時
2011-06-28 17:00〜18:30
話題提供
小松尚さん
(名古屋大学・環境学研究科)

キャンパスでの、あなたのお気に入りはどこですか? カフェでのひととき、豊田講堂から山の上への散歩、 研究室から眺める名古屋の街並みもステキですね。 今回のspcaféは、東山キャンパスにひそむ身近なナゾと 歴史をたどりながら、その魅力を市民の目線から考えます。 市民と大学人で育ててきた、 このキャンパスを語り合いましょう。

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#12 沿岸域の自然災害について考えてみませんか?

日時
2011-05-30 17:00〜18:30
話題提供
川崎浩司さん
(名古屋大学・工学研究科)

2004年スマトラ島沖地震による津波災害、2008年寄り回り波による富山湾高波災害、 2011年東日本大震災など、現在もなお、沿岸域においては甚大な自然災害が発生しています。 東日本大震災における津波被害を中心に、沿岸域における自然災害について一緒に考えたいと思います。 また、津波の高さとは?、津波と高潮の違いは?など、沿岸災害に対する皆様の疑問にもお答えいたします。

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#11 アートとテクノロジーのコラボレーション
レオナルド・ダ・ヴィンチ幻の騎馬像復元プロジェクト

日時
2011-04-14 17:00〜18:30
話題提供
安藤真澄さん
(大手広告会社勤務、
 名古屋大学・非常勤講師)

「スフォルツァ騎馬像」の名前を聞いた事がありますか。 これは科学と芸術に通じた万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが構想し、 結局実現できなかった高さ8mの巨大な騎馬像です。 この騎馬像が、研究者・芸術家・技術者のコラボレーションで、現代の技術を活用し、 1989年に名古屋で復元されました。現在、名古屋国際会議場の中庭にあります。 今回はそのプロジェクトがどのように進んで行ったかについてお話します。

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#10 地球大気の「窓」

日時
2011-03-24 17:00〜18:30
話題提供
佐藤修二さん
(名古屋大学・理学研究科)

光(電磁波)は地球の大気を透過して地表に到達します。 それは地球大気の「窓」と呼ばれています。 私たちは数千年にわたって、その狭い「窓」を通して大気の底から宇宙を眺めてきました。 「窓」を通して見えてきたもの、宇宙、天体、地球の由来と、光との縁起の物語を紹介します。

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#9 氷河や雪渓を測り続けてわかること

日時
2011-02-21 17:00〜18:30
話題提供
藤田耕史さん
(名古屋大学・環境学研究科)

ヒマラヤでの氷河縮小が何かと話題になっていますが、 私たちの研究グループは、先々代の1970年代からヒマラヤの氷河を測り続けています。 最近の観測結果からわかってきた、ヒマラヤでの氷河縮小の実態を紹介します。 また、最近話題になった日本初の氷河?がどうして立山に存在できるのか、についても紹介します。

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#8 科学が行われている現場の実情

日時
2011-01-21 17:00〜18:30
話題提供
村上祐子さん
(東北大学・理学研究科)

学術研究遂行に伴う研究支援者や制度・基盤について。 学術関連の人材育成を行うためには周辺の人材・基盤を考慮に入れなければならないのですが、 現在のところ多くの問題を抱えています。 今回はサイエンスコミュニケータ・学術情報のケースについて話題提供します。

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#7 産学連携の価値〜企業と大学と地域〜

日時
2010-11-26 17:30〜19:00
話題提供
舟橋正浩さん
(フナハシドットコム)

産学連携は1990年代から盛んになり日本の中に定着しつつあります。 主に、経済界のいうところの「失われた10年」に対するための手法として、 国家的に導入されてきました。 また、その推進を加速するために大学法人化など様々な制度改革も行われてきました。 しかしながら、産学連携が生み出す価値はそうした経済的価値だけでしょうか?

在野で産学連携の推進をしている話題提供者と、 若手大学人を中心とした会合であるspcaféで、 産学連携や現在の科学の社会的位置づけなども踏まえて、 気楽で自由なディスカッションを通じて各々にとっての産学連携の価値を考えます。 

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#6 さあ、いまこそ若者の「性」を語ろう。
〜セクシュアリティと性教育の視点から〜

日時
2010-10-29 17:30〜19:00
話題提供
鈴木和代さん
(名古屋大学・医学部)

セクシュアリティの健康は、人間の健康にとって大きな役割を果たします。性行動の活発な若者に目を向けると、 望まない妊娠、STD(性感染症)、デートDV などの問題や、若者を恋愛行動に駆り立てる同調圧力など、 かれらを取り巻く現状は大きく変化しつつあります。

しかし一方で、セクシュアリティの議論はなかなかオープンにならないばかりか、 当事者性を喪失した机上の空論となってしまいがちです。 このセンシティブな話題に、大学人はしっかりと向き合えるのか。 いのちの誕生を切り口としてセクシュアリティの問題に取り組んできた鈴木和代さんをお招きし、おおいに議論していきましょう。

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#5 サイエンスの中の数学

日時
2010-10-08 17:30〜19:00
話題提供
飛田武幸さん
(名古屋大学/名城大学・名誉教授)

「数学って何か浮世離れした学問だなぁ」とか思っていませんか? 皆さんの数学者に対するイメージは、どんな風ですか? 私達のまわりとは無関係なことを紙にガリガリ計算して「美しい!」 なんて叫ぶようなちょっと特殊な人々みたいな…

「ノイズの数学」のフロンティアを築いた数学者・飛田先生は「そうじゃない、数学はサイエンスの中にある」 と言います。今回は「身のまわりに潜む数学」についてお話しいただきます。

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#4 オカエリはやぶさ -「音」でむかえた帰還-

日時
2010-07-29 18:30〜20:00
話題提供
古本宗充さん
(名古屋大学・環境学研究科)

6月13日深夜、7年の苦難に満ちた宇宙の旅を終えた「はやぶさ」が地球に帰ってきました。 降るような星空のオーストラリアの大地の中、 その帰還を「音」を使って迎えようという計画が進行していました。

今回のカフェでは、実際にその計画を主導されていた環境学研究科の古本さんをお迎えして、 「はやぶさ」の帰還を、新たな視点から語ってみようと思います。

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#3 口蹄疫とは何か 〜科学者の考えるべきこと〜

日時
2010-06-10 17:00〜19:00
話題提供
前田健さん
(山口大学・獣医学部)

4月、日本では2000年以来の発生が確認された口蹄疫。 宮崎県を中心として、今でも猛威をふるっています。 第3回spcaféでは、緊急企画として専門家をお招きしてお話をうかがいます。

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#2 ある素粒子実験家達のテツガク

日時
2010-05-21 17:00〜19:00
話題提供
丹生潔さん
(名古屋大学・名誉教授)
丹羽公雄さん
(名古屋大学・名誉教授)

2人の素粒子物理学の実験家が自身の研究について、そして研究人生を通して見て来たこと、体験したこと、 研究に対する思いについてストレートに、縦横無尽に、参加者のみなさんとのインタラクションを楽しみながら語り合います。 座談会を通して、実験家の中に生きている「テツガク」が浮かび上がってくることでしょう。

話の内容は会の流れにより変化しますが、以下の内容を含んで展開すると予測されます。

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#1 サイエンス花見 ―タンポポ戦争の現場を見よう

日時
2010-04-09 15:00〜17:30
話題提供
西田佐知子さん
(名古屋大学・博物館)

いい季節になりましたので、花見をしましょう・・・といっても、タンポポの花見です。そして、のんきな花見とは少し違う、タンポポ戦争の花見です。

日本に昔からあるタンポポは、外来のタンポポに駆逐されつつあると言われています。 でも、なぜ駆逐されつつあるのか、そのメカニズムはよくわかっていません。 ところが、最近このメカニズムを説明する新しい理論がでてきました。 そしてこの理論は、タンポポのみならず、さまざまな生物の分布や進化の鍵を握る理論かもしれません。

今回のサイエンスカフェでは、みんなで名大内のタンポポ戦争の現場を調べましょう。 そして、この戦争の鍵を握る新しい理論「繁殖干渉」について話し合いましょう。

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