UENO, Fuki
  上野 ふき


個人情報

1981年 高知うまれ高知育ち 名古屋大学大学院・文学研究科・ドイツ文学専攻OD & 情報科学研究科・複雑系科学専攻

経歴と関心の対象

 高知の田舎で妄想に耽りながら育ちました。子供のころの夢は騎手か調教師でしたが、いざ馬を飼ってみたら大変だったのでやめました。高校ではこれからの時代は農業だ、と思って分校の農業コースを選んでみましたが、パンジーの植えかえと山登りを覚えただけでした。高校3年のとき、ドイツ思想と教育に興味が湧いたので、ドイツに行こうと思ってフライブルク大学に手紙を書いたら断られました。
 大学ではドイツ・ロマン派(18〜19世紀)の詩人ノヴァーリスを研究してきました。ノヴァーリスを選んだ理由は、彼がロマン主義の創始者だったから。これをやっておけば後が楽だろうという安易な発想でした。しかし、自分の関心が"自然"に向かっていたのは確かで、ノヴァーリスの鉱山中心の自然哲学思想に魅かれて行きました。その後『ノヴァーリス及びドイツ・ロマン主義における自然科学的環境と文学の関わり(算術的思考)』というテーマで研究してきました。自然を表現(解明)する方法は科学的だったり思弁的だったり芸術的だったり様々だと思いますが、ノヴァーリスは自然を詩的に表現しようとしていたのだと思って調べてみました。しかし彼の表現をどうやって捉えたらいいかわからなかったので、現在休憩中です。
 そんな傾向から派生して17世紀の思想家ライプニッツの哲学に興味を持ちました。彼の百科全書的で楽観主義で(攻撃的な性格のわりに)平和主義的な思想が好きです。私の研究は主に過去の思想家を解釈する立場にありますが、それだけではなくて人文学的視点から「科学」してみたいし、そこから実際に創造された「モノ」や研究結果から世界を見直してみたいと思っています。過去の思想と現在の科学思想の間を行ったり来たりという研究スタンスを取ることが希望です。そこで、現在のもくろみとしてはライプニッツ思想を計算に乗せてみたりしながら"認識論"研究をしてみようと思っています。幸いその研究をする機会にも恵まれたので試してみたいと思います。
 本研究会にはマネージャーとして参加し始めました。科学も科学哲学も初学者なので傍観しています。最近少しずつ議論の内容がわかってきたような気がしています。今後の発展が楽しみです。(2010年3月)

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