SPS 研究集会
- 2013年1月26日
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場所:名古屋大学・野依記念学術交流館会議室
13:00-13:10 この研究会の趣旨説明+司会 中尾央(名古屋大学、科学哲学)
13:10-14:10 基調講演:樺山紘一(印刷博物館、西洋史学)「人文学・社会科学の将来−『学術審議会報告』とその後−学術審議会報『リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興」
質疑応答:10分
14:10-15:40 我々は何処から来たのかセッション(20分×3) 1)川上紳一(岐阜大学、地球惑星物理学)「太陽系初期史と全地球史解読」 2)大野照文(京都大学総合博物館、古生物学)「環境を知る生命への進化」 3)三井誠(読売新聞、科学ジャーナリスト)「人類進化研究の変遷」 議論:30分
15:40-16:10 我々は何者かセッション1(15分×2) 1)熊澤峰夫(名古屋大学、地球惑星物理学)「地球史第7大事件への対処に文理連携を!」 2)戸田山和久(名古屋大学、科学哲学)「科学者の提案を受けて立つ」
議論+休憩:20分
16:30-18:00 我々は何者かセッション2(30分+) 3)伊勢田哲治(京都大学、倫理学)「異文化としての哲学的倫理学」 『倫理学的に考える』勁草書房(2012年12月発行)をベースにして科学をいかに活用すべきか?という問題について、科学者と倫理学者という異文化間の接触は何を生み出せうるか考える。
課題討論:60分
18:00-21:00 総合討論(懇親会を兼ねる)【場所】野依記念学術交流館1F - (ケータリング:フォノン)
21:00− NJP編集打ち合わせ(会場:情報科学研究科棟212)
- 2013年1月27日
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場所:名古屋大学・野依記念学術交流館 会議室
9:00-10:00 基調講演:尾池和夫(財団法人国際高等研究所、地震学)「地球科学と社会」1・2・3
質疑応答:10分
10:00-11:00 我々は何処へ行くのかセッション1科学哲学側から(20分×2) 1)戸田山和久(名古屋大学、科学哲学)「価値論の自然化のためのプログラムの提案」 2)比屋根均(名古屋大学、科学技術者論理)「技術者論理の拡張〜行為者の価値とリスク認知の蛸壺化の自覚としての倫理」
議論:20分
11:00-12:30 我々は何処へ行くのかセッション2 現場科学側から(20分×3) 3)島津康男(名古屋大学、縫目なし地球科学)「地球を設計する」 4)福井弘道(中部大学、地球環境学)「デジタルアースで考える「地球設計、ジオデザイン」」 5)井筒耕平(岡山県美作市地域興し協力隊)「地方社会における持続可能性に関する理論と方法論」
議論:30分
12:30-13:30 昼食(最寄りのベントマンで用意)
13:30- 総合討論とまとめ(座長:中尾央) 山賀進(麻布中学校・高等学校 理科(地学))「文理の分離が高校で必然なのはなぜか いかに融合を目指すのか」
1)NJP科研費第3班特集計画の説明の原稿執筆のお願い 2)ここまでのプレゼンへの問題提起と飛び入りプレゼン 3)参加者の意見や提案をうけて、今後の研究推進の方針と戦略の探索議論 4)今回の研究集会のまとめ
【研究会のコンセプト】 この研究会は、科学研究費助成事業基盤研究(B)「地球惑星科学の哲学の基盤構築:青木滋之代表」の「科学の方法班:戸田山和久班長」と「科学の科学班:吉田茂生班長」で、これまでの研究結果をレビューし、次の進展をはかろうとするものである。この研究は「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」 (ボストン美術館蔵の Paul Gauguin の絵のタイトル)の三つの問いに、文理連携研究(科学の哲学の科学=Science of Philosophy of Science)として答えようとすることが目標である。具体的には以下の三つのセッションを設定した。
(1)我々はどこからきたのかセッション: ビッグバンから、惑星ができ、生命が発生し進化し、ヒトという知的群生動物が宇宙の摂理を 探り始めたことまで(物理、地球惑星、生命、人類、ヒトの知的活動)の歴史をレビューする。 趣旨は、ヒトの存在が、この世界の中での確率的な物理過程の産物であるいという科学的理解を、 論理と心情の両面で、広く受け入れられる説明を探ることである。いろいろな専門の方の寄与を期待したい。
(2)我々は何者かセッション: 上の(1)の帰結として、われわれ(地球生命、代表はヒト)が、己とその営みを、いかなる 方法で、どのように理解しようとしているのか、それを科学の視点と人文学の視点での相補性と 背反性を研究し、共有できそうな世界観を探索する。哲学の用語でいえば、認識論の自然化研究 に相当する。これについては、若干の研究成果があるので、それを報告し議論を行う。
(3)我々はどこへ行くのかセッション; 以上の検討の結果、われわれの宿命は、われわれの将来をいかに予測制御して生き継いでゆく か、その理と技と術の研究である、と判断した。それを一言で表現すると、"future science with axiology naturalized"の研究である。ここでは、われわれの生き継ぎに必須の科学を理解してそれを全うに活用することのできる axiology(~倫理学)が必要である。これには、各方面で対立する多様な見解がある。それに関わる提言や主張などを集めて問題点を探る。