SPS 現代地球惑星科学史合宿

「Science of Philosophy of Science(旧:新しい科学哲学をつくる会)」(リーダーは名古屋大の戸田山和久教授:科学哲学)では、異なる分野の科学者と科学哲学者の交流を通じて、科学にも将来社会にも役立つ学問を開拓して行きたいと、いろいろな試行の自己実験をやっています。その一つが異分野の研究者の交流と見学の機会をつくることです。

今合宿は名大周辺の地球科学OBの方々、地球惑星科学者、科学史家、科学哲学者からなるメーリングリストCHES(現代地球科学史)の合宿を、科研費基盤B「地球惑星科学の哲学の基盤構築」科学史班(第二班)の援助のもと行われました。

【地球惑星科学のルーツ 】
現代の地惑への学説系譜をたどる、という趣旨でデカルト-20世紀あたり

【地球惑星科学の現代史 】
名大地球科学科、現代の地球惑星科学、月探査および「かぐや」についての現代史


スケジュール


2012年8月23日
【惑星科学史の勉強会 】
場所:福島県会津若松市の東山温泉内くつろぎ宿・千代滝会議室
13:00 Brush,A History of Modem Physics,3 vols を拾い読み
矢島道子、山田俊弘、吉田茂生、青木滋之

宿泊:くつろぎ宿・千代滝 宿泊


2012年8月24日
午後から合宿スタート
【地球惑星科学前史〜17世紀から20世紀まで】
場所:千代滝会議室
 
13:00 「コスモグラフィア(宇宙史=地理学」山田俊弘
13:40 「デカルトの宇宙論とその周辺」青木滋之
14:20 「18−19世紀の地質学」矢島道子
15:00-15:20 休憩
15:20 「カント-ラプラス以降の星雲論・宇宙進化論-新城新蔵論を展望して」山田俊弘
16:00 「プレートテクトニクス革命の哲学的解釈」伊勢田哲治
16:40 「系統学からみた科学史」中尾央

宿泊:くつろぎ宿・千代滝 宿泊


2012年8月25日
【地球惑星科学の現代史】
名大地球科学科のオーラルヒストリーと歴史記述の哲学
場所:千代滝会議室

10:00 「名大地球科学の現代史」青木滋之
10:40 「ホイッグ史観は問題か」伊勢田哲司
11:20 「水谷都城往復書簡集の整理・分析」山田俊弘
12:00-13:00  昼食
13:00 名大地球科学科の歴史について科学史家の質問をうける 熊澤峰夫
13:20 「月探査の背景-内部から見た現代史」寺薗淳也
14:00 「内核研究の歴史(1970年代から現在まで)」吉田茂生
14:40 「日本の月探査におけるアドバンテージ」春山純一
15:30-16:00  休憩
16:00 「惑星形成論の変遷」渡邊誠一郎
16:40 「地球外生命探査の初期史」倉本圭
17:20 「ジオパークをご存知ですか」ジオのために、地域のために?」矢島道子

宿泊:くつろぎ宿・千代滝 宿泊


2012年8月26日
【磐梯山ジオパーク・噴火記念館の見学】
磐梯山ジオパーク(バスの中で矢島さんの解説、現地では磐梯山噴火記念館館長佐藤さんの解説)、磐梯山噴火記念館の見学(館長佐藤さんの解説) 8:00-12:00

8:00 くつろぎ宿・千代滝をバスで出発
8:50 見祢の大石 (1888年の噴火で流された巨石)[10分]
9:10 渋谷の家屋 (1888年の噴火で倒壊しなかった家屋) [10分]
9:30 長坂の被害 (1888年の噴火で住民の半数が死亡) [10分]
10:00 五色沼(毘沙門沼) (1888年の噴火のせき止めで形成された美しい湖沼) [15分]
10:25 弥六沼 (五色沼周辺のアカマツ林は植林によるもの) [15分]
10:45 磐梯山噴火記念館 見学
12:00-13:00 桧原湖付近で昼食
14:00 会津若松駅で解散